〜惑星儀〜

●不思議な破片

1900年、ギリシャ・クレタ島北西のアンティキラ島沖合いで、偶然発見された沈没船のなかから、奇妙なブロンズ片が見つかった。
考古学者スピリドン・ステイスがその破片の中に歯車の輪郭を発見し、「アンティキラの機械」として注目を集めるようになった。
  • 一部に目盛とギリシャ文字が見える
  • 制作年代がBC82年と記されている
以上の特徴を持つそれの技術水準の高さがわかるのは、20世紀後半になってからだった。
1958年ケンブリッジ大学のデレク・ディソラ・プライス科学史教授(当時)の調査の結果、以下の事が判明した。
  • ブロンズ製
  • 20個以上の歯車と多数の薄板から複雑に構成される
  • 装置全体が木製の箱の内部に取りつけられていた
  • 並んで固定された薄板には目盛が刻み込まれていた
  • 箱の側面の通したシャフトが回転すると歯車が動き、指針がそれぞれ各目盛上を異なる速度で移動する
  • 箱の表面には操作方法などが記されていたらしい

●脅威の技術

教授が心惹かれたのはギアのメカニズムだった。
当時の通説では、このようなメカニズムが登場したのは1575年に製作された置時計の内部だった、とされていたからだ。
1971年にこの機械の復元が完了した。
その結果、この機械が”太陽系惑星儀”であり、精密な”機械式アナログコンピュータ”であることが判明したのだ!

しかし、当時これを完成させるだけの天体観測技術、ギア技術が存在した痕跡が全く無かった。
一般的にギリシャ文明は、精神面を尊んだ文明とされ、具体的な技術や科学は軽視されがちだったと言われている。
とすれば、この機械を製造した技術は、遥か太古の遺産なのではないだろうか。
やはり人類は、高度な文明を築きながらも何度か滅びかけて現在に至っているのだろうか。
真実はまだ明らかにされていない。