〜結晶の意識〜


仏教では、「物にも生命活動がある」と説いているが、あたかもそれを実証するかのような現象が起きた。
現在、医薬品などの原料として使われているグリセリン。
現在では当たり前の、グリセリン結晶を取り出すという行為は、19世紀の科学者には不可能な技だった。

ある日、ハンブルクの港からイギリスに運び込まれたグリセリンが、樽の中で結晶化していた。
それまで何をしても結晶化しなかったグリセリンが、である。
このニュースは瞬く間に世界を駆け巡った。
するとどうしたことか、世界でも「グリセリン結晶化」現象が、連鎖したかのように多発した。

グリセリンは、一度結晶化してしまえば、そのかけらを使って簡単に液体から結晶を取り出すことができる。
しかし、かけらが出回っていない地域からも液晶化の知らせが入ってきた。
それからというもの、グリセリンの結晶を取り出すのはとんでもなく簡単なことになった。
しかし、簡単に結晶が取り出せるようになった原因はまったく不明。
科学者の葛藤する様が目に浮かぶようだ。