〜小説は事実よりも奇なり〜



ここに、小説が人命を救った奇妙な話をご紹介しよう。

1882年5月4日、ブラジル軍艦が波間から一つのビンを拾い上げた。
そのビンの中には、古い聖書を破った紙切れにこう書かれていた。

軍艦は、紙に書いてあった方角に向かい、「海の英雄号」を発見、無事2等航海士の救助に成功した。
しかし、2等航海士は「どうして反乱のことがわかったのか???」と不思議顔。
ビンのことも知らないという。
事の顛末はこうだった。

この事件の16年前、「海の英雄」という小説が出版された。
広告方法が独特で、宣伝の為に本文からいくつかの文章を抜き出し、それをビンに入れて海に流した。
この方法で、当時はかなり有名になったとのことだ。
そして現実の船名も、この小説にちなんでつけられたものだった。
このビンは16年間も波間を漂い、同名の船の危機を救ったのだった。
世にも奇妙とは、このことではないだろうか。