〜謎の地底人〜



●奇妙なビル

 1943年のフランスはナチス・ドイツの占領下にあり、ゲシュタポによってパリの人々は苦しめられていた。
 ナチは女性を地下室に強制連行して暴行を加えるなどしていたという。
 そんな中、奇妙なうわさが流れた。

 しかし、体験者や目撃者は皆無だったため、ナチが流したうわさだろうということになった。
 だが、「死神が全世界を支配している」という教義のドルイド教団の集会所だった無人ビルに、奇妙な現象が起きていた。

しかしそんなビルも、恋人達にとっては格好のデートスポットだった。

●獣人の正体

 1943年6月、18:06。
 モンペリエ大学に通う19歳のカトリーヌ・H・モローは、信じられない状況に陥っていた。
 恋人と待ち合わせのため例の無人ビルに入り、シャンテ老人に挨拶をしてエレベーターに乗ったところ、エレベーターは地下2階までしかないのに下降を続けていた。
 エレベーターが停止して扉が開いたとき、そこにいたのは地下宮殿に住む謎の獣人だったという。
 彼女のような女性が、30人ほどは監禁されていたそうだ。
 彼女は後に彼らの特徴を、以下のように挙げている。

 そして以下に挙げる、驚異のテクノロジーを見せ付けられたという。

 当時のナチを以ってしても、このようなテクノロジーは存在し得たはずが無い。
 彼らの正体は、彼らのボスが投影した「地底王国デロの歴史と組織」という映画で説明されたという。

 長い間の地底生活で退化し、獣人に成り下がってからも、当時のテクノロジーは稼動し続けており、彼らの遊戯の道具になっていたという訳だ。
 彼らによれば、彼女の恋人もシャンテ老人も、彼らの手先だったということだ。

●物語の結末

 ところがある日、突然銀色の宇宙服を着た人々が地下宮殿に現われ、ガス銃のような武器で獣人を追い払い、彼女たちを助け出したというのだ。
 彼女たちが地上に出た場所は、パリのグートドール通りにある地下水道マンホールだったという。
 彼女が家に帰れたのは、4ヶ月ぶりのことだった。
 しかし、精神的ショックのため、15年間も精神病院に入院しなければならなかった。
 そうして1958年、健康を取り戻したカトリーヌは、パリ警察と地底調査協会のメンバーと現地へ向かったが、出口は何者かにコンクリートで塞がれ、例のビルは崩れ落ちて調査不能だったという。
 彼女が体験したことは、事実だったのだろうか。